『百聞は一見にしかず』。私が日本に住んで最初に覚えたことわざであり、大好きな日本語の一つです。担当している日本語クラスで日本食を紹介する時や、生徒を日本へ引率して日本文化に触れた時などの体験を通して、このことわざを実感するのです。
私の名前はフェイ・ヴァルタドロスです。Clarkston学校区のSashabaw Middle School、 Clarkston Junior High School そして Clarkston High Schoolで2006年から日本語を教え、日本文化の紹介もしています。ここでは、11月に行った「おにぎりデー」について報告したいと思います。
生徒達の多くは、漫画やアニメを通して普段から日本語や日本文化に触れているので、最初に私のクラスに来る時には日本のことを沢山知っており、特に日本食への関心はとても高いです。なので「おにぎりデー」の発表をした時、生徒たちは大喜びしました。大多数の生徒はまだ、実際におにぎりを食べたり、ましてや自分で作った経験などなかったからです。
「おにぎりデー」は2021年の11月5日にClarkston Junior High School で、11日にClarkston High Schoolで行われました。2つの学校を合わせると生徒数は100人以上になります。1人では大変なので、日本人の友人に手伝ってもらいました。まず最初に2人で相談したのは、”一体何合のお米が必要なんだろう?”ということです。生徒達はお腹を空かせたティーンエージャーです。100人分のお米を炊くのに炊飯器はいくつ必要になるでしょうか?とてもラッキーなことに、30合まで炊ける特大サイズの炊飯器をJBSDから借りることが出来ました。お米を寄付してくれた生徒もいました。具材にはサケとツナマヨ、ふりかけ、海苔とたくあんも用意しました。また、紙皿やゴム手袋、ラップ、サニタイザーなど、コロナ禍での事前準備にとても気を使いました。1クラス50分という限られた時間内でスムーズに進められる様、打ち合わせも重ねました。
当日は、まず生徒達に友人の紹介をし、お米の炊き方の説明から始めました。ご飯は良くかき混ぜ、ラップを引いた手のひらにご飯をのせ、両手で三角形を作って軽く握ります。友人が日本語で説明をした後、私が英語で続けました。生徒達は皆、友人が話す日本語をどれだけ聞き取れるか、自分の日本語力を試しているようでした。生徒一人一人がおにぎりを自分で作り、どのふりかけにしようか、具は何を入れようか、楽しそうに話すのを見た時、「おにぎりデー」が実現したことを嬉しく思いました。色々な種類のふりかけを試したり、ツナマヨを入れたり、海苔やたくあんに初めて挑戦した生徒もいました。どの生徒もおかわりをするほど大好評で、普段はとても偏食な生徒が、おにぎりを美味しいと食べていたのには驚かされました。素晴らしいことです。そして、おにぎりで生徒達の胃が満たされた後は、友人への質問コーナーでした。日本の暮らしや学校生活、アニメや日本の作家についてなど、興味深い質問を沢山して「おにぎりデー」を心から楽しんでいました。
クラークストンは、千葉県にある姉妹校、県立千葉東高等学校との交流を20年以上続けています。毎年、春休みには千葉東高校の生徒がクラークストンでホームステイをし、夏休みにはクラークストンの生徒が千葉県を訪問して交流を続けてきました。コロナ禍によりお互いの訪問が途絶えてしまった今、この様に日本語に直接触れ、日本文化を体験する機会が持てたのはとても有意義でした。
Clarkston Community Schoolは、JBSD基金から毎年グラントをいただいております。今回の「おにぎりデー」が実現できたのも、基金のおかげです。この場を借りて、改めてお礼申し上げます。今後も、生徒達が日本語や日本文化に直接触れられる機会を持ち続けて行きたいと思っています。授業を見学したい方、一緒に日本の文化を紹介したい方、歓迎ですのでご連絡ください!
フェイ・ヴァルタドロス
クラークストン学校区 日本語教師